りんごは種では増えません。すべて、「接ぎ木」という方法で増やしています。台木に欲しい品種の「枝」を「接ぎ木」します。つまり、りんごの品種は「枝」で決まります。
上記写真のりんご、上と下とで、実はりんごの品種が違います。
上がおそらく「金星」、下は「フジ」です。
なぜこうなったのかというと、吉ざえもん農園で購入した時、この苗木は「フジ」だったわけですが、その後、腐乱病にかかり、ほとんどダメかという状況であったとき、根元近くから伸びていた枝があったので、それを大事に育ててみた結果、上に「金星」、下に「フジ」の枝が育ちました。
つまり、このりんごの木の台木の「金星」に、「フジ」を接ぎ木してあった苗木の根元に伸びてきた枝を活かした結果なのです。下の画像はこの木の根元部分です。
右側にダメになった元々の木、そして、そのすぐそばから伸びている幹が2本。これがそれぞれ、「金星」と「フジ」の幹なのです。
こうして、それぞれの幹から伸びた枝には、それぞれ、「金星」と「フジ」が実るようになるのです。
かつて、吉ざえもん農園には、ひーおばあちゃんが育てた接ぎ木のりんごがたくさんありました。
ひーおばあちゃんがやっていた方法は、元気なスターキングという品種のりんごの枝に、右に「フジ」、左に「世界一」というように、台木を作るのではなく、もともとあるりんごの木の枝に接ぎ木をしていました。小さい頃の吉ざえもん農園の畑には、枝ごとに品種が違うりんごの木がたくさんありました。