平成の吉ざえもん農園の様子

雪会いりんご 吉ざえもん農園の歴史
雪会いりんご

今、みえバーちゃんが遺したりんご畑を守っているのは、7代目の女房、津軽のおかーちゃんです。

津軽のおかーちゃんは、みえバーちゃんと同じように、いろいろ試すのが大好き!

雪会いりんご

雪会いりんご

それが吉ざえもん農園の雪会りんごの誕生につながりました。

たった一つのこだわり、それは、「自分で食べておいしいりんごだけ作ること」でした。

みえバーちゃんのころ、つまり昭和の吉ざえもん農園は、「見栄え第一、食べてもおいしい」がモットーでしたが、一つ難点がありました。「自分で食べておいしいりんごだけじゃない」ということでした。私たちりんご農家が食べているのと同じ味を流通に乗せることは非常に困難なことだったのです。

そんな折、父の提案でりんごの樹を植え替えることになりました。「矮化」といって、りんごの樹を小さく保ちつつ、りんごの実をたくさんならせて、省力化を図る、というものです。この矮化が吉ざえもん農園のターニングポイントになりました。

矮化は樹を植えてから実をつけるまでの期間が短くて済み、とてもいいように思えました。しかし、古くからの方法と同じように栽培したりんごの味の悪いこと・・・。おまけに雪に弱く、雪の重みに耐えきれず、折れてしまうりんごの樹が続出。折れた部分から腐乱病を発症する始末。

みえバーちゃんが守ってきた、樹齢30~40年のりんごの樹は無くなり、矮化したりんごの樹は片っ端から折れ、おまけにりんごもおいしくない・・・。

そこで津軽のおかーちゃんは、原点に戻りました。「栄養分は葉っぱが作るから、葉っぱは取らない。りんごもお日さまを浴びたらおいしくなる。樹上で真っ赤になっておいしくなるまで収穫しない。」

そうです、自分で食べておいしいりんごを作る、と決めたのです。袋をかけずに太陽の光をたくさん浴びて、たくさんついている葉っぱから栄養を充分にもらい、樹上で雪が被る時期までじっくりと完熟させたりんごは一番おいしいのです。

でも、見栄えが悪いりんごがほとんど・・・。

市場へ出すのは辞めました。売り物になるような見栄えの良いりんごがとても少なくなったからです。おいしくて見栄えの良いりんごは、自分のとこのお歳暮用にだけ使うようになりました。そして、残ったけれども自分で食べておいしいりんごは全部ジュースに加工することにしました。

こうして、吉ざえもん農園のりんごは雪会いりんごを中心とした作付になりました。

※雪会いりんごは品種名ではありません。吉ざえもん農園のサンふじの愛称です。

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